女人禁制を破った巫女と葦毛の馬
どんな伝承か
赤崎町蛸の浦の尾崎神社は、古くは女の立ち入りを許さない社であった。あるとき蛸の浦の旧家に住む巫女が、その言い伝えを侮って社のある岡をどんどん登り、神歌を口ずさんだ。とたんに空が暗み、雷鳴とともに海から怒濤が押し寄せ、一きわ高い波の上に葦毛の馬にまたがる神の姿が現れた。馬は急な崖を駆けのぼって消えたが、岩には蹄の跡がくっきりと残ったという。その場所はヨシァーウジと呼ばれ、いまも立小便などをすれば海が荒れて漁がなくなると戒められている。禁を破った巫女は、二度と家へ帰らなかったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説(大船渡市(編)・大船渡市史)
『大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説』は、大船渡市が編んだ市史の民俗編である。この写しには、第六章「俚諺・俗信」の軽口・地口の類と、天候予知や吉凶の前兆、禁忌、呪法などの俗信、第七章「伝説・昔話」のうち伝説の節を収める。伝説は木・石、山、坂・洞穴・塚、水部、長者旧家、社寺・堂閣、地名などに分けて、五葉山や日頃市・末崎など市内各地の言い伝えを並べる。