棺に納めたオシンメイサマの祟り
どんな伝承か
高林の小川家には男女一対のオシンメイサマが二組ある。屋敷内の西側の一隅に木造りの社が建てられ、その中の二つの小社に一対ずつ祀られている。小川家は三代前まで神官を務め、祖母のツギが守りをしていたが、ツギが昭和三十九年に七三歳で亡くなってからは、嫁のフクが守子となった。フクの実家は鏡石の久来石で、母も守子であった。母が亡くなったとき、寂しかろうとオシンメイサマを棺に納めて野辺送りをしたところ、跡取り息子の死や家族の事故など不幸が続き、ワカサマに拝んでもらうとオシンメイサマの祟りだと告げられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。