火に落ちる蝉とセミオトシの太鼓
どんな伝承か
愛宕様の祭日は旧六月二十四日である。南沢では、その夜、青年たちが神社の境内に各家から集めた麦わらを燃やして太鼓を打った。この火の明かりに誘われて蝉が火の中へ落ちたので、太鼓打ちを「セミオトシ」と呼んだという。愛宕の祭りに太鼓を打つことはよくみられ、青年会に入ると太鼓打ちを教えられた。太鼓打ちは高林・飯豊・白子・中屋敷・沢邸・小川でもみられ、高林では太鼓打ちのほかに百八灯の灯籠を立てたり、花火を揚げたりすることもあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史・自治体史(民俗))
『天栄村史 第4巻(民俗編)』第六節ほか所収の憑依と怪異・呪術・神社伝承。福島県天栄村に伝わる信仰と怪異を採録する。