村境へ送る土用の虫送り
どんな伝承か
高林では土用の神事に、水田から虫の食った稲の葉や茎を取り集め、クネに編んで竹に結わえつけ、夜、太鼓や笛を打ち鳴らして村の境へ送った。飯豊では稲の赤くなった葉を抜き、オサゲに編んで笹につるし、太鼓をぶって隣村との境へ送る。更目木では盆のあがりに子供と青年がヨシで虫籠を編み、各家が畑から取り集めた害虫を入れ、「害虫送り」と書いた旗をつけて笛・太鼓・カネを鳴らしながら村の上から下へ歩き、最後に川へ流した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。