夜に元気づくオバと布団の下の毛
どんな伝承か
人がある日突然おかしな振る舞いを始めることを、この地ではキツネッキと呼んだ。南沢に、昼のうちはぼんやりしているのに、夜になると元気の出るオバがいた。法印に相談すると、布団の下へ鏡を置けと教えられ、そのとおりにしたが、狐に見つけられてしまった。そこで改めて祈祷をしてもらい、赤飯と玉子、油揚げを四ツ辻へ持って行って狐送りをした。ところがその後、オバの体は次第に弱っていき、とうとう死んでしまった。布団の下には狐の毛が落ちていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。