天狗が弘法を退けた大桁山の盃石
どんな伝承か
弘法さまは大寺を建てる地を探し、谷が千あるという大桁山を候補にしていた。慌てたのは大桁山を遊び場にしていた妙義山の天狗たちで、谷を一つ埋めようとしたが、大石ばかり出て仲間に死者まで出た。そこで坊さんは女を避けるというので、女の性器をかたどった石を七つこしらえて山に並べた。やって来た弘法さまは谷の中のそれに驚いて一谷を数え落とし、千に足りないとあきらめて去り、のちに千谷の地として開かれたのが高野山だという。喜んだ天狗の大将が投げた盃が三俣の盃石、子分の投げたのが小さい盃石で、天狗の作った石は大桁山のサネ石として三つ残るという。
原典より
なお、天狗のつくった女のお道具は「大桁山のサネ石」といい、いまも三つが残っているという。—— 妙義町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第25集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妙義町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第25集・群馬県民俗調査報告書)
『妙義町の民俗――伝説・怪異』は、群馬県民俗調査報告書第二十五集『妙義町の民俗』のうち、年取りの習俗と口頭伝承を収めたものである。上高田・菅原・大久保・中里などで聞いた、お菊さま・一山和尚・爪引き地蔵、天神様や弘法大師ゆかりの石・井戸・池、大桁山や妙義山の天狗と大蛇の伝説と、屁の名人へっぴり関の話、死の知らせや火の玉、化かされた話などの世間話を収める。口頭伝承は昔話・伝説・世間話と怪異・諺と謎に分かれ、各話の末に聞いた土地の名を添える。