ヤスごと逃げた小原温泉の大鰻
どんな伝承か
小原温泉の下の方に、うんと狭いところがある。そこで底に潜り、太さ二十から三十もある鰻を突いた。一度突くだけは突いたが、上げられなくて、そのままヤスごと放してしまった。するとその鰻は何日かたって、一里ばかり下のクサモというところへ流れ、そこの百姓が拾い上げ、道路へ持ってきて見せ物にした。これを小原の人達が見てきた話が、今でも残っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県白石市下戸沢民俗調査報告書――伝説・怪異
『宮城県白石市下戸沢民俗調査報告書――伝説・怪異』は、宮城県白石市の下戸沢地区で行われた民俗調査の報告書である。年の暮れの行事の記述に続いて、白石川の淵や山の地名の由来、蛇骨沢や鎌倉岩、三丈滝の不動明王、万蔵稲荷、鬼婆、ガマ仙人、狐に化かされた話などを収める。口承文芸は昔話・伝説・世間話の三つに分け、一話ごとに題を立てて土地の人の語りを短くまとめ、行事の項には注を付す。