鳥居坂の真ん中に据わる要石
どんな伝承か
麻布七不思議の三つめは要石である。旧麻布区役所の前、鳥居坂の真ん中に、直径一尺ほどの石が据わっていた。道普請のとき邪魔だというので掘り出そうとしたが、根がどこまでも続いて動かせない。それでかなめ石と呼ばれるようになった。のちの道路改修では爆薬を仕掛けて上部が壊された。この石に塩を供えて足の病を祈ると治るという。要石は神霊の降りる依代とされ、鹿島神宮のそれは地下の大鯰を押さえていると伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・1985年(昭和60年))
『妖怪の民俗学――日本の見えない空間』は、宮田登が一九八五年(昭和六十年)に著した、妖怪の現れる場所を論じた民俗学の書である。柳田国男と井上円了の妖怪論、幽霊と妖怪の違い、口裂け女と産女、皿屋敷、化物屋敷と下女、辻・橋・境の怪異、怪光と怪音、七不思議、通り悪魔と髪切りを、古文献や新聞記事、各地の伝承から読み解く。四章から成り、都市の空間に妖怪が現れる仕組みを軸に据える。