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尻を向けて犬を欺く俗説の失敗

所在地東京都新宿区戸山
年代著者の大学在学中
登場著者と級友数名
出典科学的教養

どんな伝承か

著者が大学在学中のある日、級友ほか数名と戸山の原へ、桜草見物がてらの採集に行った。帰途、夕暮れになって荒川の岸を歩いていると、ある農家の犬が一匹、一行を見て吠え出した。一行が面白がって声を上げた結果、数匹が集まって来て猛々しく追って来た。そのとき著者が思いついたのは、犬に吠えかかられたときは四つん這いになり尻を前にして向かって行けば、頭のない犬が来たと思って逃げるという俗説である。実験も実見もしたことはなかったが、少し変わった同行の一人に勧めると勇敢に実行した。黒い学生服で黒犬に見えるには十分だったが、犬どもは一向に威かされず、かえって噛みつかんとする形勢になり、一同で救い出して事なきを得た。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・1948年(昭和23年))

『科学的教養』は、小泉丹が昭和二十三年に春秋社から刊行した、科学的なものの見方を説く評論である。精確さ・合理性・実証の面から科学的と非科学的の違いを論じ、河童の記録や呪いの効き目、『耳袋』の怪異談、狐憑き、幽霊・化物屋敷、人魂・鬼火・怪火を例に、日本人のものの考え方を検討する。昭和十七年に書いた前版を戦後に改稿したもので、序と起序に続く七章から成り、旧稿の終わりの二章を除いたと序に記す。

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