土中から現れたのぶの地蔵
どんな伝承か
ある日、雁股田の武名坂というところで子どもたちが遊んでいた。そのうち一人の子が土手下の畑に飛び下りると、足の下で何やら声がした。「わたしはのぶの地蔵だ。ここにいるから掘ってくれ」と言っているようで、何度も聞こえてくる。子どもが家に帰って親に話し、親が畑を掘ってみると、土の中から地蔵の姿があらわれた。それからその子の家で堂を建てて大切に守り、霊験のある地蔵と聞いていわき方面からも参詣に来たという。今は道路改修で堂を壊したため、家に安置して供養している。
原典より
ある日、雁股田武名坂というところで、子どもたちが遊んでいた。—— 小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史)
『小野町史 民俗編――伝説』は、小野町が編んだ町史の民俗編から、第九章「ことばと伝承」の第一節「伝説」を収めたものである。田村郡小野庄にあたる町内の館主や城主の没落、坂上田村麻呂や八幡太郎、小野篁・小野小町にまつわる話、デンスケ坊の祟り、河童の恩返し、大蛇や名石・埋宝の話など五十四編を、大半は地元の人からの聞き書きで収める。村川友彦の「はじめに」と地域の特色の解説を置き、伝説を大字(旧村)ごとに並べ、語り手の名を添える。