伊達政宗に落ちた黒森城
どんな伝承か
雁股田の堀切のすぐ北手の山の上に黒森城があった。そこは今は広い煙草畑になっていて、八幡社だけが残っている。天正十八年、伊達政宗が小野四十八館を攻めたときここも陥落し、城主の小野義親は北西半里の今の黒森というところへ逃げて土着したという。城址のすぐそばにあった大伝寺は城主の菩提寺であったが、墓地に小野氏の墓は一基もなく、表屋敷の旧家三軒の墓だけだという。大伝寺は明治七年に火災に遭い、今は釈迦堂だけが建っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史)
『小野町史 民俗編――伝説』は、小野町が編んだ町史の民俗編から、第九章「ことばと伝承」の第一節「伝説」を収めたものである。田村郡小野庄にあたる町内の館主や城主の没落、坂上田村麻呂や八幡太郎、小野篁・小野小町にまつわる話、デンスケ坊の祟り、河童の恩返し、大蛇や名石・埋宝の話など五十四編を、大半は地元の人からの聞き書きで収める。村川友彦の「はじめに」と地域の特色の解説を置き、伝説を大字(旧村)ごとに並べ、語り手の名を添える。