本堂の扉にぶつかって鳴る人魂
どんな伝承か
伯耆の倉吉の近在、浅津にある香宝寺には、夜になるとよく人魂が飛んできて評判だった。人魂が本堂の扉などにぶつかると、梨でも投げつけたような大きな音が高く響き、勢いのある人魂ほど光も強く音も大きいと、この寺の上杉住職が語ったという。著者が大正年間に聞き込んだ話で、ガスのような人魂が固い物の音を立てるのは不合理だと思う人も多いが、交霊会の実験を待たずとも世間で見られることだとして挙げている。
原典より
本堂の扉などへ衝突するときは、梨なんかを投げつけたやうな音が高々と發する。—— 心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年))
『心霊不滅』は、岡田建文が著し、昭和十五年に大阪の国民書院が発行した心霊研究書である。人の心霊は肉体の死後も存続するという立場から、神道の神霊の垂示を引きつつ、心霊の本質と「化精」、遠感と魂の遊離、生霊、二重体、交霊術と霊媒、霊感筆記、幽霊写真などの物理現象、幽霊の出現を論じる。序説と七章からなり、第三・四・五・七章に「例一」「例二」と番号を付けた事例を並べ、今昔物語の説話、江戸から昭和の国内の見聞、欧米の報告を挙げる。