例四 高野詣の生靈
どんな伝承か
明治三十七年、神奈川県神奈川町の料理店台湾亭の女房チカは、病気の叔母に代わって高野山参りをするよう頼まれ、叔母の写真を託されて代参に出た。講中一行二十四名で五月六日に横浜を発ち、奈良で一泊後に高野山へ登ったが、汽車の弁当や宿の膳がなぜか毎回二十五人分用意され、伊勢や修善寺でも一行が四人に見えると言われて余分な膳が出た。叔母はチカの出発後、夜も昼も眠るように過ごし、安らかに息を引き取ったという。
原典より
例五 戀愛からの生靈第四章 二重體(一名複體)例一 日本に於ての古い記錄例二 入浴した二重體例三 貸屋を捜がした假體例四 露國の皇后の姿例五 自己の假體を見る例六 言語したといふ二重體例七 最も顕著の事實—— 心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年))
『心霊不滅』は、岡田建文が著し、昭和十五年に大阪の国民書院が発行した心霊研究書である。人の心霊は肉体の死後も存続するという立場から、心霊の本質、遠感と魂の遊離、生霊、二重体、交霊術と霊媒、霊感筆記、幽霊写真などの物理現象、幽霊の出現を論じ、明治・大正の国内の見聞と欧米の報告を事例に挙げる。総説から幽霊現象まで七章からなり、各章に「例一」「例二」と番号を付けた事例を並べる。