嫁入りが避け出征者が祈った戻り橋
どんな伝承か
京都の一条堀川に架かる戻り橋は、あの世とこの世の境と意識されてきた橋である。第二次世界大戦のさなかには、出征する者が生きて帰れるよう、人目を忍んでこの橋に詣でて祈ったという。一方で、嫁入りの行列がこの橋を渡ると嫁が実家へ戻る「出戻り」になるとして忌み嫌われ、婚礼の一行はこの橋を避けて通った。『都名所図会』にも、婚礼がこの橋を通るのを嫌うことが記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。