体の悪い者は入れぬシメの内
どんな伝承か
大塚町では十二月二十八日から三十一日ごろに注連縄を綯い、大晦日に神棚・床の間・玄関・台所・仏壇などへ飾る。松や梅、昆布、みかん、ジンバソウなどを添え、玄関のものは輪に結んでゆずり葉や御幣をつける家もあった。この注連縄を土地ではシメという。ある家では、明治三十二年生まれの話者の、その母の代までは、体の具合の悪い者はシメを張った場所へ立ち入らなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。