官林に捨てられた娘を葬ったお女郎仏
どんな伝承か
石神の妙延寺にある「お女郎仏」は、近郷によく知られている。寛政のころ、十八、九歳の品のよい娘が病に倒れ、土手山と呼ばれる官林に捨て置かれていた。村役に見つけられて手当てを受けたものの、五日後に息を引き取り、その亡きがらを葬ったのがこの仏である。娘は梅毒を患って捨てられた女郎だったとも、由緒ある家の落人だったとも、越後新発田藩主の落とし子で、わけあって江戸から帰る途中に捨てられたのだともいわれる。昔から下の病に霊験があるとして信仰され、山中笑の『共古随筆』にもこの話が載っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史)
『川口市史 民俗編――伝説』は、川口市が編んだ市史民俗編のうち、第四章「伝説」を収めたものである。六兵塚や首塚などの塚、山・池沼・樹木にまつわる話、八百比丘尼の椿、神社・地蔵・観音・薬師の霊験、地名の由来、正月の餅を搗かない家例や蛇まつり、川口の鋳物の始まりなどを、地内の地名や家名とともに記す。自然伝説、信仰伝説、歴史伝説の三節に分け、節の中を塚・山・池沼などの項に立てる。