山越しに見えた相模の松
どんな伝承か
万田では、相模の松と呼ばれた大きな松のことが語られている。山の向こう側からでも見えたと伝わるほどの大木だったが、話者がまだ子供だった頃に伐り倒された。伐るのには腕の立つ名人があたり、木の上の方から順々に切り下ろしていった。枝から分かれた枝でさえ、そこから一抱えもある臼がこしらえられるほどの太さがあったという。伐った材は売られた。
原典より
相模の松ってね、山のむこうに見えたそうですよ。—— 平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承(平塚市(編)・平塚市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承(平塚市(編)・平塚市史民俗調査報告書)
『平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承』は、平塚市の旭地区の民俗調査報告書のうち、第八章「口頭伝承」を収めたものである。下山下・万田・公所・山下などで聞いた昔話十五話、狐に化かされた話や狐憑き・ムジナ・神隠し・幽霊・塚のたたりなどの世間話四十一話、曽我伝説の虎御前や社寺のいわれなどの伝説十一話を収める。昔話は『日本昔話集成』『日本昔話名彙』に照らした分類表を掲げ、各話に地区名や話者名を添え、末尾にことわざといいまわしを載せる。