槇川山口氏の墓所祭
どんな伝承か
愛媛県北宇和郡御槇村槇川の山口氏一党一二戸は、祖先の命日として三月一五日に、先祖のムショ(墓所)の前で祭りをおこなった。これも同族神であった。マキ氏神は多数の同族・家族間で共同の祭祀がおこなわれ、司祭者は同族から出るのが常で、墓所や五輪塔の前を祭場とする例も各地に見られる。近隣の成妙村でも太宰氏一門が五輪墓塔の前で祭りを営んでおり、先祖の墓を祭場とする同族祭祀がこの一帯に分布していた。
原典より
愛媛県北宇和郡御槇村(現・津島町) 槇川の山口氏一党一二戸は、祖先の命日とて三月一五日に先祖のムショ(墓所)の前で祭る。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。