須賀川へ突入する宇和島の牛鬼
どんな伝承か
愛媛県宇和島市では毎年七月二十二日から三日間、和霊大祭とうわじま牛鬼まつりが開かれる。牛鬼は獅子頭を大きくしたような練り物で、竹で編んだ胴を赤や黒の布、シュロの毛で覆い、長い首を担ぎ手がてこの仕掛けで動かす。南予地方に特有の習俗で、加藤清正が敵を脅すために考え出したとの説もあるが、起こりははっきりしない。神輿を先導して家々の魔を祓い、祓った穢れを身に負うために暴れるのだという。行列の終わりには、牛鬼が和霊神社前の須賀川へ次々に突っ込み、石段を駆け上がって境内で気勢を上げる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。