空中に現れた十二本の生きた掌
どんな伝承か
その夜の心霊実験会では、来会者の生きた手の掌を約十二本、空中に物質化させる現象が起きた。戸田霊媒はこれを聞いて、「四国の宇和島でやったときにも一度そういうことがありました。そのときは指紋まで残っていましたが」と語った。徳川夢声ら出席者たちは、戦災で大火傷を負った岸本という人物の手までありありと現れたことにさすがに驚いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊界(長田幹彦・1953年(昭和28年))
『霊界』は、長田幹彦が昭和二十八年に著した心霊の講話集である。著者の超心理現象研究会で行った交霊会の実験、物品の引き寄せや乾板への感光、エクトプラズムやライン博士の念力説、霊との対話から考えた死後の世界を、語りかける口調で説く。霊の実験・肉体のない人間・美しい死後の世界・霊媒の生態の四講からなり、最後の講は交霊会の夜の霊媒たちの姿を物語ふうに描く。