成妙村太宰氏の甘酒講
どんな伝承か
愛媛県北宇和郡成妙村では、太宰氏一門六戸が甘酒講を営んだ。祭りは先祖の生誕月である一一月と、戦死月である四月とにおこない、その五輪墓塔の前で祭った。頭人は順番に勤めたという。四月と一一月は特殊な因縁を説かずとも、古くから氏神祭の時期として知られていた。また成妙村では、本家の祭りに同族だけでなく小作人たちも参加する例が見られたという。
原典より
同郡成妙村(現・三間町)に太宰氏一門六戸の甘酒講は、先祖の生誕月一一月と戦死月四月とにその五輪墓塔の前で祭り、頭人は順番に勤めた。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。