諏訪大祝の童男神
どんな伝承か
長野県諏訪市中洲に鎮座する諏訪神社の由来を記した『諏訪大明神画詞』には、神が初めてこの地に姿をあらわしたとき、自らの御衣を八歳の童男に着せて大祝と名づけ、自分には体がないので祝をもって体とする、と神勅を下したと記されている。この御衣祝有員が神氏の始祖であり、その子孫は大祝家として長く諏訪神社の神事の中心を担ったという。
原典より
祝ハ神明ノ垂迹ノ初メ御衣ヲ八歳ノ童男ニヌカセ給テ、大祝ト称シ、我ニ於テ体ナシ、祝ヲ以テ体トスト神勅アリケリ。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。