栃の実から椀を思いついた惟喬親王
どんな伝承か
奥川村弥平四郎の木地屋部落は戸数三六戸ほどで、氏神は大山祇と神明親王すなわち惟喬親王とを合祀し、祭は旧四月二八日である。ここも平家の落人と称し、惟喬親王が栃の実を見て椀の作製を思いつき、そこから木地が発明されたと伝えている。木地屋は轆轤の技を惟喬親王から授かったと説いてきたので、山の神の信仰と職能の始祖信仰とがしばしば混同されて語られているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・平山敏治郎・堀一郎ほか・日本民俗学大系・昭和(民俗学))
『日本民俗学大系 第8巻 信仰と民俗』。原田敏明・池上廣正・平山敏治郎・堀一郎らによる十論考からなる日本民間信仰の総合的研究。原田敏明「総説」は信仰と民俗、宗教の起原(スペンサーらの学説・アニミズム)、村の信仰と都会の宗教、シャマニズムを論じる。池上廣正「霊と神の種類とあらわれ方」は神の種類(名社大社の祭る神・雑神)、神のあらわれ方、霊の種類(人霊・自然霊)・霊威、農と神・田植えの儀礼を扱う。