相州雨降山に落ちた雷獣
どんな伝承か
雷が落ちるとき、雷獣も一緒に下界へ降りてくると言い伝えられている。明和年間に相模国に落ちた雷獣は灰色で鼬に似ていたという。明和乙酉の年の七月、相州の雨降山に落ちたものは猫より大きく、色はいっそう黒っぽく、爪が五つあってたくましかった。また先年、岩附に落ちたものは胴が短く、色は灰白色だったと書き添えられている。
原典より
明和年間相州に落ちたのは灰色で鼬に似てゐたさいふ。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。