三宅島阿古の忌籠りイミカド
どんな伝承か
三宅島の阿古には近年までイミカドというものがあった。部落から離れた山間にあり、沢伝いに墓地へ往復のできる場所であった。子は五十日、相続人である孫は十五日、他の孫は三日というように、死者との親疎によって籠る日数に違いがあった。嫁などはイミカドに出ず、家で留守居をつとめる。親を失った子は十五日のあいだ村を歩けず、沢を伝って歩いた。五十日は髪も刈らず髯も剃らず、自分の家にも他人の家にも立ち入れない。イミカドを出るときは末子が後を閉め、出ると振り向かずに戻るのであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。