新島で四か月籠る忌小屋カドヤ
どんな伝承か
親の喪にあたった者が世間と交わりを断って忌み籠る忌小屋の習俗は、伊豆の島々に色濃く残っていた。新島では、こうした小屋をカドヤと呼んだ。喪主は四か月という長期にわたってカドヤにこもり、そのあいだはただ仏をまつるだけで過ごした。その生活の面倒は村じゅうで見たという。近隣の三宅島阿古のイミカドや、熱海の目先に浮かぶ初島の掘っ立て小屋など、死の穢れを負った者を人家から離れた場所に隔離し、一定期間こもらせる風がこの地方には広く伝わっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。