漁船を妨げる緋袴の魔女
どんな伝承か
新島では、海上に魔女が現れるという言い伝えがある。時々、海上に緋の袴を著けた美人が現れて漁船に妨害を加えるといい、漁夫は大いにこれを怖れている。その由来を聞くと、昔、藤原時代にこの島へ漂着した船があり、船中の食物が尽きて人々が餓死しかけたとき、男たちは一人の女を船に残したまま食物を探しに出て、そのまま帰って来なかった。女はついに恨みを呑んで餓死し、以来その霊魂が海上に現れて男子を苦しめ、復讐をするのだと信じられている。この話は新島のうち合浦に限るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。