水崎貫一を殺した詐欺師の失踪
どんな伝承か
昭和四年の出来事として、友人の吉村参吾が多くの証跡を挙げて語った話。大阪市住吉区住吉町の住吉神社の脇に、水崎貫一という四十余りの男が住んでいた。七、八万の財産があり土地家屋の周旋を道楽半分にやっていたが、昭和二年の秋から知り合った天王寺区勝山通りの森武二と阿部野の秋田秀夫の詐欺にかかり、貯蓄を失い家屋は公売され、長男は家出し、未決監にまで入れられた。放免後に病んで施療病院で十二月三日に死ぬ。その翌日の夕方、水崎は森の家を訪ねて二人は同道して出かけ、森は帰らなかった。翌五日には秋田を誘い出し、こちらも行方が知れなくなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
修羅挑天 仏教より観たる幽霊の正体(修羅挑天・仏教・幽霊論・1931年(昭和6年))
『修羅挑天 仏教より観たる幽霊の正体』は、修羅挑天が著し、昭和六年に中央出版社から発行された仏教の立場からの幽霊論である。霊魂観念の変遷、四悪趣と幽霊、幽霊の定義と分類を説き、責任感の強い幽霊・嫉妬の幽霊・復讐する幽霊などを、新聞記事や著者が自ら調べた大正・昭和の実例で示す。緒説と十段からなり、後半では倶舎論・唯識論・起信論・法華経・真言密教・浄土門の教えに照らして幽霊を論じている。