渡し守を疫病から守った鳥越の稲荷
どんな伝承か
流行病などを避けるための祈願を集めた記録。筆頭は安田鳥越の稲荷堂で、ここに信心すると疫病にかからず流行も止んだという話があり、昔、鯖石川の渡し守が無言で無賃の若者を快く渡し続けたところ、後年鳥越に傷寒病が流行しても渡し守は一人も罹らず、稲荷の神が夢に現れて渡し賃の礼だと告げたと伝える。ほかに吉井の赤坂山の旧街道にある弁慶の太刀割石ともいう三枚石の苔がオコリや虫歯に効く、花田のガンガラ橋のそばの神明様に祈ると子供の咳が治る、谷根慈鳳庵跡の地蔵でいぼが取れる、鯨波神明神社の六所権現は咳に効く、西本町遍照寺の笹葉の聖天が流行病を防ぐ、番神堂の浄行菩薩をたわしで洗うと病が治るなどの言い伝えが挙がる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。