死忌と産忌をめぐる禁忌
どんな伝承か
当地では「ヒが悪い」というように、忌をヒと呼んでいる。死に関わる忌はシビ(死忌)、産に関わる忌はサンビ(産忌)と呼び分けられてきた。ただし、何のために身を清め、慎まなければならないのかという本来の目的は忘れ去られ、ただ「してはならない」とだけ言い伝える俗信になっているものが多く、シビ、サンビの区別自体も近ごろではほとんど忘れられかけている。禁忌は、呪術で良い結果を招こうとする積極的な行いとは違い、そうしてはならない、そうしなければならないという形で、消極的ながら少しでも良い暮らしを願うものだと説かれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。