かたがり松の路銀貸し
どんな伝承か
茨目の近くの村に住む五郎作が京都見物に出かけ、町を歩いていると見知らぬ若い女に呼び止められた。女は自分を柏崎在茨目のかたがり松だと名乗り、京都見物で遊びすぎて帰りの路銀に困っているので貸してほしい、某月某日にかたがり松の東の枝に金を吊るして必ず返すと言う。五郎作は言われるままに金を貸してやった。帰郷後、約束の日に松の東の枝を見に行くが何も見えず、だまされたかと枝の下へ行くと、長い枝が揺れて耳をそろえた金が吊るしてあった。そのとき五郎作は、松が梢を震わせて礼を言う声を聞いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。