熟れ残った柿が化けるタンタンコロリン
どんな伝承か
著者が少年のころ、家の裏には柿の木が何本か立っていた。この辺りでは、柿の実が取られないまま古くなると化けると言い、化けたものをタンタンコロリンと呼んだ。姿は見上げるような大入道であるという。だから柿が実ったら早いうちに取ってしまえ、と言われたものだった。著者は、この呼び名は仙台地方だけのものだと記している。古い木にはみな精が宿るとされ、そのひとつがこの柿の怪であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・1978年(昭和53年))
『怪談の世界』は、山田野理夫が昭和五十三年に著した怪談の研究随筆である。遠野での佐々木喜善と柳田国男の出会いから説き起こし、家・山・木・石・道・水・火に現れる妖怪、憑き物、鬼と天狗、生霊・死霊・幽霊の話を、著者の聞き書きや各地の民俗資料、古典・芝居から集め、沖縄の話で結ぶ。章立ては江馬務と柳田国男の妖怪分類を参考にしたもので、民俗学の資料と文学作品の両面から怪談をとらえようとしている。