横山の妙高山塔と雨乞い伝承
どんな伝承か
横山には「妙高山」と刻んだ文字塔があり、深沢にも明治三十一年に重野国八が建てた「苗場山」の塔がある。どちらも建立の理由は伝わらないが、農業の神としての霊山信仰によるものと考えられる。横山の塔にはこんな話がある。ある年、日照りが続いて困った村人が雨乞いの相談をし、知恵者と評判の老人に頼んだ。老人は白装束に身を包み、五日のあいだ観音に祈った。満願の夜、夢枕に観音が現れて、妙高山塔に願をかけよと告げた。村人と共にその塔に祈ると、やがて雨が降ったという。白装束の老人には妙高山に関わる修験者の姿がうかがえる。久米の五位与左衛門という大先達が代々妙高山頂にある阿弥陀堂の扉を開く役を務めたとも伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。