夜ごと薬罐が転がる坂
どんな伝承か
東京の近くにも薬罐坂という気味の悪い場所があった。夜ふけにひとりで通ると、どこからともなく薬罐が転がり出してくると言い伝えられていた。『豊多摩郡誌』が伝えるところである。柳田国男の妖怪名彙では、この坂の怪は、備前邑久郡で坂道を砧が転がるというテンコロコロバシや、越後の堤で跳ねていたという横槌蛇などと並べて挙げられ、夜道を行く人の足もとへ何かが転がってくるという同じ型に属するものとして扱われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・昭和(民俗学))
柳田國男の妖怪研究を集めた『妖怪談義』(選集五巻)。