熊山古城址に響く法螺貝の声
どんな伝承か
備前和気郡の熊山の古城址にいたというものをカイフキボオという。その声は法螺の貝を吹くようであり、どこで鳴るのか場所は知れず、その貌を見た者もない。土地では貝吹坊と呼んでいた。東備郡村誌巻四に見える。柳田は同種の音の怪として、周防の大畠の瀬戸で旧六月のころどこからともなく太鼓の音が聴こえる虚空太鼓、信州小谷で川童が人を取る二日前に打つという川鼓などを並べて挙げている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。