浮気な地蔵さん
どんな伝承か
むかしの桶川の夜の町に、美しい若い男が姿を見せるようになった。静かに酒を飲み歌い踊るその姿は若い女たちの憧れの的だったが、素性は知れなかった。ある夜こっそり後をつけると大雲寺の門に入ったため、住職が寺の若い僧を集めて問いただしたが誰も知らないという。ある夜住職が見張っていると、若い男が寺の庭に入ってきていつの間にか姿が消え、そこに地蔵が立っていた。住職は地蔵をきつく叱り、鉄のかすがいを背に打ち込み鎖で縛った。それ以来、夜の町を歩く若衆の姿は見られなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。