検林に降る提灯大の竜燈
どんな伝承か
長野の西端、田部原との境に、以前は検林と呼ばれる林があった。この林は昼なお暗く、夜間はことに淋しい所であった。林の中に建っていた堂宇に、夜更けになると時折、提灯ほどの大きさの火玉が降ることがあった。村人たちはこの怪火を竜燈と呼んでいたという。竜燈とは本来、海中の燐光が燈火のように連なって現れる現象をいうのであるが、ここでは空中から降ってくる火玉のことをさしている。その検林も昭和の初めにはすべて伐り倒され、跡地は開墾されてしまったという。
原典より
長野の西端、田部原との境に以前検林があった。—— 田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史)
『田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説』は、会津の田島町の町史のうち民俗を扱う巻の、伝説を論じた節である。針生・糸沢・金井沢・折橋などに伝わる岩魚の棲まない沢、ダイタンボウの足跡、弘法清水、竜燈、天狗隠し、河童駒引き、アズキトギなどの伝説を、土地の言葉を交えた語りで載せる。自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分けて動物・地形・地名・人物・幽霊・妖怪変化などの項を立て、各話のあとに伝説の型や会津の類例を論じる。