赤枝の井戸の精と赤井戸
どんな伝承か
今から約九百年も昔、赤枝の鈴木家の裏手にあるお清水様に井戸があった。その井戸の精が美しい女の姿となって鈴木家に現れ、嫁にもらってくれと願い出た。家の主人は後の災いを恐れて、その美女を斬ってしまう。斬り倒された美女の正体は大蛇であった。その頃から井戸の水が赤くなり、人々はこれを赤井戸と呼ぶようになった。その赤井戸が転じて赤枝という地名になったのだと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
磐梯町史 民俗編――伝説と昔話(磐梯町(編)・磐梯町史)
『磐梯町史 民俗編――伝説と昔話』は、会津の磐梯町が編んだ町史の民俗編で、口承文芸の章の「伝説と昔話」の節にあたる部分である。磐梯山を七回り半巻いた大蛇の尾寺、弘法大師の梵字清水、井戸の精が嫁に来る赤枝の話などの伝説と、猿の嫁取り、山姥、笠地蔵、ノッペラボウの度胸ばなしなどの昔話を書きとめる。伝説と昔話の二つに分けて題を付して並べ、昔話は「むかしむかしあったどよ」と始まる土地の言葉の語り口を残す。