蔵の二階に隠したたばこを専売局の監事に見つかりそうになった利助が
どんな伝承か
昔は自分の家で作ったたばこを、どこの家でも隠しておいた。利助という利口者の家でも、六貫目ほどを蔵の二階に隠していた。専売局へ納め終えた後、監事が調べに来て、妻立ち会いで家の中を念入りに捜したが何も出ない。次に蔵を調べにかかったので、裏の畑で仕事をしていた利助は困り、一計を案じた。妻が先に、続いて監事が蔵に入ると、戸を閉めて「たいへんなことになった、どっかのやつが来て家のかかあを蔵の中へ入れている、皆来てくれ」と大声で怒鳴った。監事は言い訳にいっしょうけんめいで、謝って帰り、蔵の二階のたばこは見つけられずに済んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史・自治体史(民俗))
『秦野市史 別巻 民俗編』所収の妖怪・伝説(一〇〇話を七分類で収載)。神奈川県秦野市に伝わる口承を採録する。