墓地の入口に置かれた棺桶に驚く先生
どんな伝承か
毎晩、語り手の家のほうへ小便桶を担いで来ては、帰りにまきを二把ずつ持って行く人がいた。その家のほうは共同墓地になっている。あるとき感冒風邪で一軒の家から二人が亡くなり、また棺桶を買ったが、明日また来るのは厄介だからといって、二つとも家へ持ち込むのは悪いと、一つを墓の入り口へ置いておいた。まさか墓の側に棺桶があるとは思わないから、通りかかった人はそのときびっくりしたと言っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。