猪苗代城の亀姫の予言
どんな伝承か
姫路城の天守閣にオサカベ姫という女の霊が住むといわれたのと同じように、会津の猪苗代城にも亀姫という霊がいた。亀姫はていねいにもてなされれば城の安全を保証してくれるが、うっかり粗末にすると城主を取り殺してしまうともいわれる。亀姫は禿、つまり幼童の姿にもなって現れ、城主の命が尽きることを予言するという。ある年、城代家老が亀姫をていねいにもてなさなかった。すると幼童の姿で現れ、城代の命は次の年で終わると予言した。翌元旦、城代が広間に出ると床の間に棺桶と葬式の道具が置かれ、その夕方には餅をつく音が聞こえた。城代はついに正月十八日、便所の中で倒れ、二十日の朝に死んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・宮田登が、妖怪を『日本の見えない空間』の問題として論じた現代民俗学の名著。Ⅰ妖怪のとらえ方では、柳田国男『妖怪談義』の妖怪論(妖怪は出る場所が決まり、零落した神)と、幽霊(都市の人間関係から相手を追って出る)との区別、昭和五十四年に流行した口裂け女(受験社会で母に叱られる子供の心意の投影、『喰わず女房』の鬼女の再来)と産女、島根県松江の雲州皿屋敷のお菊、明治の井上円了の妖怪学と真怪・仮怪の分類を扱う。