亀ヶ城下の井戸に出た一つ目小僧
どんな伝承か
亀ヶ城の下の侍屋敷に仕える女中が、夕闇の迫るころ、明朝の茶の水を汲みに裏の寺屋敷の井戸へ出た。すると七つ八つほどの子どもが現れ、金がほしくないかと声をかけた。顔を見ると口も鼻もなく、大きな目が一つだけでにらんでいたので、女中は気を失って倒れた。家の者が探して水をかけると正気に戻り、一つ目小僧がいると知れた。以来、茶の水は朝に汲むことになり、今度は美男の若い坊様が現れるので、方々の家から水汲みの女が集まるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。