殴り込みを装って寿司をただ食い
どんな伝承か
秦野市に伝わる世間話。例の悪知恵の男が若い連中を集め、寿司をたらふく食わせてやると言った。氏神祭りの夜店の寿司屋で皆が食べ、さんざん食べ終えた頃合いに男が「ゴホン」と咳払いをすると、手下たちが片肌脱ぎに丸太棒を持って「ここにいやがったか」と殴り込みを装った。大騒動に乗じて男は逃げ出し、手下三人ほどが追いかけたことで無銭飲食にはならず、まんまと寿司をただ食いしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。