帳面を火に投げた八沢の道祖神
どんな伝承か
師走八日は一つ目小僧といい、子供たちを怖がらせたものである。夜が更けると一つ目小僧がやって来て、いたずらっ子や悪い子はいないかと家々を訪ね歩くので、子供は小僧除けに目かごを戸口に置いた。八日の晩、小僧は目かごも恐れず子供の悪いところを書き続け、帳面は一かかえになった。夜が明けぬうちに帰ろうとしたが、村外れで重さに耐えかね、道端の道祖神に帳面を預け、来月十五日に取りに来ると約束した。中を見た道祖神は困り果てたが、十四日の夕方、積まれた松飾りから火が出たので帳面を投げ込んだ。翌朝、小僧は仕方なく帰り、以後、道祖神は子供の神として祀られるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。