姫宮稲荷の狐と門倉のヤエモン
どんな伝承か
姫宮の稲荷様が娘の姿を真似て現れたという話。昔、そのあたりは草と畑ばかりの寂しい道で、門倉のヤエモンという家の旦那が馬で駄賃取りをしていた。すると若い娘が出てきて、道に迷ったから田圃の方へ出るところまで乗せてくれと頼んだ。旦那はすぐに狐だと見抜き、落ちたら大変だと言って娘を縄で鞍にぐるぐる縛りつけてしまった。狐は逃げられず、そのままヤエモンの家まで連れて行かれ、行灯の明かりで正体が現れて元の狐に戻り、悪かった、勘弁してくれと詫びたと伝えられる。六ッ谷の男性の語り。
原典より
姫宮の稲荷様が娘さんの真似して来たんだと。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、北文間・川原代の両地区で聞いた伝説と世間話を収めた部分である。中沼の主のタニシや亀、ドウロクジンサマの大蛇、狐や狸に化かされた話、首切り田や底なし田、平将門の影武者、力持ちのジンシチなどを、明治・大正生まれの話者からの聞き書きで記す。話はムラごとに分け、話者の語りに準じて記して地区・性別・生年を添え、冒頭には話型名を付した昔話も含む。