羽黒山の神木で開かれた関根の羽黒堂
どんな伝承か
関根には普門院と並んで羽黒堂があり、参る人が多い。昔、旅の僧が関根で一夜の宿を借りたとき、出羽の羽黒山の神木が最上川をさかのぼって関根に着くという夢を見た。まさにそのとおりになったので、村人は僧を厚くもてなし、流れ着いた神木を三つに分けて観音像を彫った。元の木で彫ったものを大窪山に、中ほどを笹野に、末を赤芝に納めたという。ある日、長井時広が馬で大窪山へ向かうと、参道口で馬がぴたりと止まって動かない。占わせると、羽黒権現の祠は荒れ、参道も藪になっている、里へ移せば領内は安泰だと出たので、関根に堂を建てて移したものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。