仙台の大火を止めた中田の不動尊
どんな伝承か
窪田の中田にある来振山威徳寺には、智証大師の作と伝わる不動尊像が安置されている。箱根から越前へ、さらに威徳寺の十一代住職が米沢へ勧請したものという。文禄三年、仙台に大火があったとき、ある旅籠屋の前まで迫った猛火が、そこでぴたりと止まった。不審に思った宿の主人が占ってもらうと、泊まっていた旅僧は威徳寺の不動尊の化身だと告げられたという。またある信者が御戸帳を奉納したところ、一晩で鼠にぼろぼろに噛み切られてしまったが、不動尊の足元には踏み潰された二匹の白鼠があった。長井の遍照寺の宥日和尚の作で、火焰不動だとする説もある。
原典より
窪田の中田に智証大師の作といわれる不動尊像があり、来振山威徳寺に安置されている。—— 米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。