不動尊の夢告と三勇士の怪猫退治
どんな伝承か
草双紙『鍋島猫騒動』の結末である。国元に帰った太守は病に倒れ、夜ごとの怪異に苦しんでいた。宿直に召し戻された伊藤左右太は、膝に小柄を刺して眠気をこらえ、愛妾お筆の方が寝所に入ると太守がうなされ出すのを見届けた。小森半之丞・伊藤・高木三平の三人は、懐妊を理由に男子禁制となったお筆の方の居間へ、安産の御守を届ける使いを装って入り、不動尊の御札を開いた。怪猫は正体を現して屋根を破り逃げたが、伊藤が牛窪不動尊に籠もって祈ると、城の南西の山中に潜むとの夢告を得た。三人は洞穴の怪猫を追い出して討ち取り、恩賞を受けた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。