蛇の化身と夕日長者の埋蔵金
どんな伝承か
御廟に近い熊野神社のあたりは、かつて長者屋敷と呼ばれていた。越後へ商いに行った帰り、権太夫は国境で美しい女に呼び止められる。女は自分が蛇の化身であること、弟が八郎沼にいることを明かし、手紙を届けてくれれば幸せにしようと言う。恐ろしくなった権太夫が言われたとおりにすると、沼の男は黄金の入った小袋をくれた。いくら使っても尽きない袋だったという。臨終の際、権太夫は朱砂と黄金の壺、それに漆千杯を土に埋め、行けば五里帰れば七里、朝日さし夕日輝く木の下にあり、と歌を残した。村人は彼を夕日長者と呼ぶようになった。
原典より
御廟の近く熊野神社のあるあたり、むかしは長者屋敷と呼んでいた。—— 米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。