歌う瓢箪を拾った末の息子
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どんな伝承か
貧しい爺が三人の子を育てかね、山の洞合に荒地を切り開いて粟を蒔くと、思いのほかの収穫があり、年々切り拡げて暮しも楽になった。ある年の秋、山端の畑に鹿や猪がつくので、総領息子が鹿追い小屋に泊まり、しらほう、しらほうと呼んで追っていると、どこかで、やら瓢箪コひとつ、ちゃんぶく茶釜に毛が生えて、と返事があった。怖くなって逃げ帰り、中の兄も同じ目に遭って逃げ帰った。末の息子が声のする方を尋ねて行くと、沢の水のとどめきに小さな瓢箪が浮き沈みして踊っていた。拾って懐に入れて持ち帰り、呼びかけると懐の中で同じ返事をした。隣の長者がこれを欲しがって身代のすべてと取り替えたので、末息子は村一番の長者となった。
原典より
子供が三人あつたが、その子供等を育てるのにさへ、ひどく困難した。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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