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歌う瓢箪を拾った末の息子

所在地岩手県遠野市鱒沢
年代昭和二年五月採集
登場貧乏な爺様と三人兄弟
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

貧しい爺が三人の子を育てかね、山の洞合に荒地を切り開いて粟を蒔くと、思いのほかの収穫があり、年々切り拡げて暮しも楽になった。ある年の秋、山端の畑に鹿や猪がつくので、総領息子が鹿追い小屋に泊まり、しらほう、しらほうと呼んで追っていると、どこかで、やら瓢箪コひとつ、ちゃんぶく茶釜に毛が生えて、と返事があった。怖くなって逃げ帰り、中の兄も同じ目に遭って逃げ帰った。末の息子が声のする方を尋ねて行くと、沢の水のとどめきに小さな瓢箪が浮き沈みして踊っていた。拾って懐に入れて持ち帰り、呼びかけると懐の中で同じ返事をした。隣の長者がこれを欲しがって身代のすべてと取り替えたので、末息子は村一番の長者となった。

原典より

子供が三人あつたが、その子供等を育てるのにさへ、ひどく困難した。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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瓢箪長者鱒沢

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